令和 7年 4月 27日 伊賀コリドールロード
マニアックな雑誌に掲載されていた「伊賀コリドールロード」。なんでも伊賀盆地を一周するルートなのだとか。名阪国道で素通りはしても伊賀盆地を走った記憶はほとんどない。唯一思い当たるのは2004年5月RYUBE大阪「伊賀上野ツーリング」。ケロと二人で伊賀上野城を登った記憶があるくらい。
雑誌の記事を読み解く限り、幾つもの国道〜県道〜農道を繋ぎ合わせたものを無理やり「コリドール(周回)ロード」と呼称した感じ。
道はイマイチっぽいが、途中のスポットで興味をそそられる所が幾つかある。各分岐とそれらスポットを全てナビに事前登録して、それを辿りながら走る算段。
5時過ぎ出発。常磐ICに乗る前に丁度朝日が出てきた。阪神高速大和川線〜西名阪自動車道〜名阪国道を経由。
コリドール周回ルートなのでどこからでも出発点になる。利便性を考えて上野ICを起点とした。6時半周回スタート。概ね雑誌で紹介されているコースを反時計廻りに走る。暫くは普通の一般道を繋いでる感じで、それ程見所がある訳では無いが名張を過ぎた辺りから山中に入っていく。
7時過ぎ道の脇にひと際デカいソニック像が佇んでいた。そもそも”ソニック”なるものがどんなキャラなのかも知らないので特別な感動も無かったのだが(帰宅後確認セガのゲームソフトのキャラらしい)。少し小休止していると青・黄・赤3色のカラフルなハンターカブ御一行が到着。人懐っこい中年のオヤジさん3人組。なんと関東から遠征。昨日は三重に宿泊〜この日はこのソニックを観た後関西まで走るそうだ。
記念撮影をするとの事で、仲間にいれて頂いた。私のZX-11だけ違和感があるが、これもソロツーリングならでは。それにしてもハンターカブの機動力はなかなかのものだ。皆様と別れて先に進む。ここソニックがコース南端近辺、間もなく山の中を折り返す。この辺りは案内板も皆無で、事前確認とナビが無いとわかりそうにない。
東側のコースを北上し始めて、一転直線快走路が顔を出した。多分広域農道。路面状態はすこぶる良好。
油断するとどこまでのスピードを出してしまいそうなところを自制しながら走る。絶景が続くような感じでは無いが、気分を爽快にさせてくれるような道だ。
名阪国道を一旦くぐって柘植駅で小休止。辺鄙な田舎の駅舎だが設立は何と1890年、実は歴史ある駅らしい。雑誌ではこの近くに鉄道遺構があるとの事だったが、バイクを置いて廻りを探しても見つけきれなかった。
最北端周辺は山間部となり見通し悪く、道が一層判り難い。ナビをセットしていても何度かコースをそれてしまうのを都度修正しながら走る。平野部に戻った辺りで視界が開けた。高倉大橋から伊賀上野城が遠く観える。
コリドールロードから一旦それて、上野市に向かう。目的地は城下町にある旧小田小学校本館。
1881年に建てられた和洋折衷・大正浪漫な小学校。テラスと鐘楼のファザードが美しい。
内部は博物館になっていて、大正〜昭和の教室が復元されている。ここが面白いのは、自由に触ったり遊んだり、楽器を弾いてみて良い事。「手をお触れにならないで下さい」という博物館は山ほどあるが、「どうぞ触ってみて下さい」というスタンスの所は初めてで、足踏みオルガンや打楽器等々色々試してみる事が出来た。
2階のピアノも弾く事が出来る。ところどころ音が鳴らない鍵盤があったりする。調律もされていないが、音を出して弾いてみれるといのが楽しい。
小学校の校舎とは思えない立派なステンドグラスのバルコニー窓。総じて見所が多く楽しい場所だった。
昼過ぎになって向かったのは「レストランITO」。
通常サイズのステーキ丼。¥1,200-程でこのボリューム、味も美味しかった。
食べ終わった後、伊賀上野城見学。天守閣は1932年再建されたもの。面白いのはコンクリート製では無く木造である事。
天守閣からの眺め。伊賀盆地が一望できる絶景。
石垣高さは30mで大阪城と並んで高さ日本一だとか。
「俳聖殿」は松尾場所の姿をモチーフに1942年に建てられたもの。この奇異な建物は20年前に観たのを覚えていた。なにせ小学校時代の悪童ケロがソフトボールを屋根に投げて怒られたエピソードを聞いたから。2010年に重要文化財の指定された建物に何とばちあたりな。しかし今考えるといくらなんでも本当の事かな。
駐車場に戻ると関東から走ってきたソロライダーから話し掛けられた。連休中に旅をしているライダーが多い。それにしても上野旧市街、意外と見所が多かった。若い時分には良さが判らなかったが、年齢を重ねて価値を再認識した感じだ。その後コリドールロードに戻り、上野ICで一周達成。
帰りの針テラスは、バイクで溢れかえっていた。帰着は15時、総走行距離260km。